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2004年12月24日
パレスチナ この1年(04.12月に思う)
パレスチナのこの1年
土井敏邦
分離壁、シャロン首相の「ガザ地区撤退案」、ガザ地区・ラファでの大量家屋破壊、そして北部ジャバリア侵攻による100人以上の犠牲者・・・、世界のメディアはパレスチナでの「旬な事件」をトップ・ニュースで伝え、まもなく問題が解決したかのように忘れ去る。
しかし今、パレスチナ人に最も深刻な問題は、目に見えにくいがパレスチナ社会を蝕み続けている。
イスラエルの“封鎖”政策によるパレスチナ社会・経済の侵食と、民衆の精神的な腐食だ。
長年、占領政策によって、自立する経済の芽潰されてきたパレスチナは、封鎖によって“窒息状態”におかれている。これまで民衆の最大の収入源であったイスラエルへの出稼ぎの機会はほとんど奪われ、農産物や製品の輸出の道は閉ざされた。また原材料の輸入も困難となり、イスラエルの下請け産業も壊滅、零細工業も崩壊寸前だ。
失業率は60%を超え、2年前でも1日2ドル以下の貧困ライン以下は全体で60%以上、ガザ地区では80%にも達し、5歳以下の子供の23%近くが栄養失調状態にあった。さらに深刻なのが高校や大学を卒業しても仕事もなく、海外で活路を見出すことも許されない青年たちの将来への絶望感と閉塞感だ。
一方、腐敗し、民衆の状況改善に何一つ手を打てない自治政府の不能が民衆の絶望と怒りに拍車をかけている。このやり場のない民衆の感情が激しい反イスラエル感情を醸成し、ハマスの自爆テロやミサイル攻撃に溜飲を下げさせる。
イスラエル側の何百倍もの報復がさらに憎悪を増幅する・・・。
今、パレスチナで起こっていることは「暴力の応酬」ではない。物心ともに“窒息死”寸前にある民衆の断末魔の“叫び”と、それをさらに圧倒的な力で封殺しようとするイスラエルとの衝突だ。
投稿者 doitoshikuni : 2004年12月24日 13:09