Webコラム

日々の雑感 139:
ガザ住民への電話インタビュー[4]
2009年1月14日の状況

2009年1月22日(木)

2009年1月14日
アブ・ハリール(仮名)(ジャバリア難民キャンプ住民)

(Q・イスラエル軍の攻撃を自身が目撃したことは?)

2度ある。1度目は、3日前に家から遠くないマーケットへ行ったとき。私がキュウリやトマトを買おうとその値段を訊いていたときだった。突然、爆発音がした。戦車がマーケットの中にある4階建ての建物に砲撃した瞬間だった。恐ろしいほどの大きな音だった。被害はその4階建ての建物に限らず、周囲の建物にも及んだ。私が直接目撃した初めての爆撃現場だったので私自身パニックに陥った。そこは私が立っている場所から120メートルほど離れたところだった。恐ろしい光景だった。幸い誰も負傷しなかったが、住民の中でパニックが起こった。

2度目はその日の午後だった。私の家近くの道路で2人の子どもたちが遊んでいた。突然、アッパチ・ヘリコプターからのミサイルが爆発した。2人は即死だった。その身体はバラバラになった。すぐに病院に運ばれた。他にも3人が負傷した。それは戦慄するような事件だった。私の甥が現場近くにいて、バラバラになった子どもの身体が毛布に包まれ、病院に運ばれる現場を目撃した。その甥が私に報告にやってきた。甥にとって生まれて初めてそんな光景を目の当たりにした衝撃でパニックになっていた。

(Q・つまり遊んでいた子どもがアパッチに攻撃されたというのか)

子どもたちは遊んでいたのだが、武装青年が道に地雷を埋めているのだとでも思ったのだろう。

(Q・ジャバリア難民キャンプでハマスの武装組織のリーダーが殺害されたと聞いたが)

それは1月1日の夜だった。イスラム大学の教授のニザル・ラヤンが家に戻ったとき、F16戦闘機がその家を爆撃した。ニザル・ラヤン教授と4人の妻、その子どもたちなど16人の家族が瞬時に殺された。4階建てのその家は完全に崩壊し、周囲の7軒の家が被害を受けたが、その住人たちは殺されなかった。イスラエル軍の「指名手配のハマス要員」の人物の側に住んでいた隣人たちは2、3日前にその家から避難していたからだ。

(Q・家から避難した人たちはどこへ行ったのか)

パレスチナ人社会のネットワーク、社会的なつながりのおかげで、避難した人たちは、違った場所に住むファミリーメンバーたちに保護される。または隣人、さらに友人の家にもだ。またUNRWA(国連パレスチナ難民救済事業機関)の学校に避難した者もいる。

(Q・しかしそのUNRWAの学校に避難していた人たちも攻撃されたのか)

イスラエルのメディアは、学校の近く、または中にいた2人の武装兵士を狙ったといっている。そこはジャバリア難民キャンプの西部にある小学校で、43人が殺されたと聞いている。全員が民間人で、ガザ地区北部のベイトラヒヤなどから国連の旗の下にある学校に避難してきた人たちだった。43人の死者と多くの負傷者が出た。

(Q・なぜ学校を攻撃したのか)

なぜ攻撃されたのか誰にもわからない。イスラエル側は中に武装兵士がいたと言っている。UNRWAはこの攻撃を非難している。目撃者によれば、まったく武装兵士はいなかったという。その前の通りで、子どもたちが遊んでいただけだ。

(Q・あなたの家に電気は来ているのか)

停電でとても苦しんでいる。つい最近も60時間まったく電気がこなかった。今は6時間だけ電気が来て、あとの18時間は電気がないといった状態だ。その理由はガザ内の発電所に十分な燃料がないからだ。ガザ地区南部には(エジプトからの)電気がある。ガザ北部の我われはイスラエルからの電気に頼っているが、十分な電気を供給されない。

他の理由もある。イスラエル軍の攻撃で、電線が切断されてしまっているのだ。そんな事情で、電気が来ない時間が増えつつある。

(Q・調理用の燃料もガスもなく、料理はどうしているのか)

調理の問題は、ガザでもう何ヵ月も続いている。燃料が不足し、通常の生活はできない状況だ。シャワーも十分浴びられず、近所から薪を集めてきて、料理をしている。幸運なときはお湯が手に入り、シャワーを浴びられるが。しかしもう何週間にもわたって、通常の生活はできなくなっている。

(Q・高層階で暮している住民は水をくみ上げられずたいへん困っていると聞いたが)

通常、水を上の階までポンプで屋根のタンクにくみ上げていた。しかし電気がないためにそれができない。それで1階のドラム缶などに水を貯めている。水道がないので、UNRWAからの水配給サービスに頼っている。電気が来る1時間ほどの間に飲み水を確保し溜める。それが唯一の手段だ。ガザ地区の他の地域ではそれさえできないところもある。またUNRWAからの水供給サービスさえないことがある。水をくみ上げることができるのは電気があるときだけだ。

(Q・今は冬なのに、どうやって暖をとっているのか)

それがとても深刻なことだ。暖房の燃料もなく、電気暖房器具のための電気もない。頼れるのは薪だけだ。それでいくらか暖まるだけだ。もう1つの方法は、毛布を被ることだ。

(Q・その薪はどこから手に入れるのか)

それも見つけてくるのがとても難しい。お金があれば、あちこち店を探して薪を買う。ナイロンやプラスティックをマキ代わりに使うのは(有毒ガスが発生して)危険だ。

(Q・子どもたちにとって、この寒さは一段と厳しいだろう。あなたの家の子どもたちはどうやって寒さを凌いでいるのか)

うちの子どもは(風邪で)咳がだんだんひどくなっている。もっと毛布が必要だ。昼間に陽が照れば、1、2時間でも外を歩くのだが、しかしイスラエル軍に攻撃される可能性があるから危険だ。

(Q・食べ物はどうしている?)

主食の小麦粉が不足している。通常はUNRWAが難民に配給しているが、もしそれがなければ、ブラックマーケットでそれを手に入れなければならない。または1キロほどの小麦粉を友人や隣人から譲ってもらわなければならない。

また野菜もガザ地区全体で不足している。その値段も上がっている。通常、野菜はベイトラヒヤ地区やジャバリアの東部などで生産されるが、そこは今、イスラエル軍に占領されている。

(Q・医療関係はどうか)

ガザ地区には全部で10箇所の政府系の病院がある。薬品がまったく不足していて、特に心臓病のための薬や外科手術のための設備などが足りない。しかしこの2、3日の間にアラブ諸国などからの支援物資がエジプトとの国境から入ってきている。また、アラブ諸国から100人ほどの医者が大量の負傷者の治療をするパレスチナ人医師を支援するためにガザ入りしている。

国境は、エジプトがコントロールしているラファ国境とイスラエル側のケレム・シャロン検問所(物資用検問所)以外、完全に閉鎖されていている。だから、そこから物資を運び入れられるかどうかは、国際社会がイスラエルにそれらの物資をガザ地区へ持ちこめるようにどれだけ圧力をかける意志があるかどうかによる。

アラブ諸国からの援助や寄付はラファ国境から入ってくる。だからアラブ諸国がイスラエルに直接、または間接に圧力をかけ、ラファを通してラファからトラックで簡単に運びいれられるようにすべきだ。

(Q・現在の状況の中ではどうなのか)

今とりわけ必要なのは、外科の専門家や薬品、また負傷したパレスチナ人が海外で治療を受けられるような手配、さらに攻撃後のガザの再建だ。何十万という人びとの住居が破壊された。また農地も破壊された。だからヨーロッパや国際社会から、ガザの復興のための支援が必要だ。

(Q・UNRWAなども給料がもらえない状況だというが)

それも問題だ。もう何ヵ月もシェーケルの現金が不足しているため、UNRWAの職員でも12月分の全給与をもらうことができないと聞いた。そんな話はこれまで聞いたことがない。ただ50%の給与を手にしただけだ。残りの給与は銀行に届くのを待っている状況だ。シェーケルがガザに運びこまれないためだ。

(Q・なぜシェーケルの現金が不足しているのか)

よくわからない。イスラエル側はパレスチナ人を“罰する”ために封鎖をさらに強化しているようだ。

(Q・では住民は、あなたを含め仕事に出ていないのか)

誰も仕事に出ていない。家族と共に家で過ごしている。子どもの安全を確保し世話をしたりして過ごしている。それがいちばん大事なことだが。

私は職場のオフィスへは行ってはいない。

(Q・家に留まるストレスが大きいだろう?)

同じ場所に留まり、朝から夜まで過ごすことはとても退屈だ。しかも電気もない。しかしこの状況では、そうやってやり過ごすしかない。

(Q・このような状況下でどのようにして精神的な安定を保っていられるのか)

イスラムという宗教と社会の伝統によるもので、これらが結び合って人びとを支えていると思う。6年以上になるこの封鎖のなかでも、人びとの精神状態は崩壊していない。まだ人間としての尊厳を維持し、この状況のなかでも自由と独立を求め続けている。人間としての自尊心はまだ高く、自由を求めている。だから宗教と社会伝統がこのような状況の下でも強い意志をもって生きることを可能にしていると思う。

(Q・若者や中年層に、もう自分の人生は終りだといった絶望感はないのか)

ガザ地区に限らず、若者たちはよりよい快適な生活を求めるものだ。快適な住居、素晴らしい妻、車などを求める。それはアメリカでもヨーロッパでもアフリカでも、世界中同じだろう。

しかし私たちの状況はパレスチナ人全体のもので、すべての世代が苦しい状況下にある。たしかに外に移住したがっている者もいる。どこでもいいから移住したいと考えているのだ。しかしその比率はとても小さい。

(Q・こんな状況の下でも残りたいと思っているのか)

ガザ地区から出ていきたいと望む者もいれば、ここに留まりたいと思う者もいる。それは世界のどこでも同じだろう。ここに留まる強い意志をもっている者もいれば、そのような強い意志は持てず、出ていってより快適な生活を夢見る者もいる。

(Q・ガザ住民の感情、空気はどういうものか)

これは1967年以降、最も血にまみれた戦争だ。第1次、第2次インティファーダのときもそうだったが。住民はアラブ諸国から真の支援が不足していることにとても苛立っている。またアラブ諸国のいろいろな場所でデモが行われているが、それらの政府の立場は変わってはいない。住民はアラブ首脳会議が開かれること、またはアラブ同盟が実質的な支援に乗り出してくれることを望んでいる。

いずれにしろ、ハマスに対する怒りはない。すでに国際的なメディアなどで報じられているようなハマスへの怒りはない。むしろ以前よりハマス支持が強まっている。このような大規模な攻撃やひどい侵略によって900人から950人が殺され、4500人が負傷した。430人が危篤の重傷を負っている。住居や学校やモスク、さらに政府系の建物が破壊されているにもかかわらず、私の知る限り住民はハマスを支持している。だからハマスを破壊するというイスラエルの目的はこの攻撃によって達成されなかったのだ。イスラエルがハマスに攻撃的になればなるほど、住民はハマスを支持する。

(Q・ハマスの攻撃がイスラエルの攻撃の引き金を引いたことに住民は怒っていないのか)

そういう感情は住民の中にはない。ハマスがロケット弾──実は音爆弾のようなものだが──はイスラエル側にそれほどの被害を与えているわけではない。ハマスにとって、ロケット弾だけがイスラエルに対する抵抗の手段なのだ。境界は封鎖されていて、ハマスはイスラエル内で軍事行動をすることができない。自爆攻撃のような軍事活動をハマスがやめて3年になる。イスラエルに危害を与えられる攻撃がこのロケット弾攻撃だったのだ。迫撃砲の発射もおなじだ。

しかし一方でイスラエル軍は日常的に侵攻を繰り返し、攻撃し、殺害し、暗殺を繰り返した。だからこのロケット弾攻撃はハマスだけではなく、他の組織のイスラエル側への反動だ。

(Q・多くのガザ住民がカッサム・ロケット弾による攻撃を支持しているのか)

みなが支持しているがどうかはわからない。しかし今のところ、イスラエルを怒らせる唯一の手段だ。

(Q・どのくらいの住民が支持しているのか)

以前は50%以上だという感じだったが、イスラエル軍が攻撃している今は70%くらいはこのロケット弾攻撃のような抵抗の手段を支持していると感じる。我われはカッサム・ロケットを撃っているのを見ることはできないが、イスラエル側にロケットが発射されるのを住民は喜んでいる。

(Q・しかしこのような攻撃の効果は薄く、その代償はあまりに大きい。人びとはそれを受け入れているのだろうか)

たいして効果はなくても、それが唯一の抵抗の手段なのだ。また、少なくともイスラエル社会にカオスを生み出すことはできた。あちこちでパニックになっている。イスラエルによれば150万人がイスラエル南部で暮している。彼らが他の場所に避難している。またはその攻撃のために普通の生活が送れなくなっている。それはつまり両方が同様のカオスを体験していることになる。だからカッサムの目的はイスラエル人を殺すことではなく、ハマスによれば、それはイスラエル社会にパニックを引き起こすことなのだ。我われが体験しているような苦しみを彼らにも味わせるのだ。

(Q・今、民間人が殺されているのか)

保健省は、現時点で殺された975人のうち、300人が子ども、91人が女性だと発表している。彼らだけではなく、他の民間人も含まれている。負傷した住民にもまた多くの民間人が含まれている。これらのなかで武装組織の人間が正確にどれほどいるのかわからない。

(Q・ハマスはそれほど損害を受けていない、イスラエル軍はハマスの勢力を潰すことができなかったとビーチ難民キャンプの知人が言っていたが、どうなのか)

それは事実で、イスラエル軍さえそのことに言及している。イスラエル政府の役人も、ハマスはまだダメージを受けていないと発表している。イスラエル軍に標的にされ殺されたのは民間人だ。ハマスの機構、指導層、武器は温存されている。普通の武装兵士がたくさん殺されたという情報はなく、シェーフ・アザリアン以外に武装組織の幹部が殺されたという情報はない。

(Q・ハアレツやBBCなどのメディア、またイスラエル側の報道官の発表では、「イスラエル軍は70%から80%のハマスの力を破壊した」と伝えているが)

イスラエル軍はガザの街やジャバリア難民キャンプの中まで侵攻できないでいる。すでにその2、300メートルにところまで迫ってもう2、3日になるが、中へ入れないでいる。赤三日月社によれば、ガザ人口の80%がガザ市内やジャバリア難民キャンプで暮しているのだ。イスラエル軍は入れないでいるのかどうかはわからなし、その計画を立てているのかどうかもわからないが、現時点では中へ侵攻していない。

(Q・この状況下でなぜ住民がハマスを支持するのか)

この状況になる当初から、パレスチナ人はイスラエルによる封鎖の原因をつくったとしてハマスを非難することはなかった。ハマスは民主的な方法で選ばれた。しかし武力でパレスチナ政府の治安警察本部を制圧し、ガザ地区を占拠したことは非難されている。その後、さらに封鎖が強化され、それは以前よりはるかに厳しいものとなった。そのとき住民は、これはイスラエルとハマスの間の争いが背後にあるのではなく、それ以上のことなのだ、パレスチナ人の自由と抵抗を求めているからだと感じるようになった。そして「責められるべきはハマスではなく、イスラエルなのだ。我われはイスラエルに占領されているのだということを忘れない」という意識が強まった。

もちろんガザ住民の苦難の状況、ガザが攻撃されるの原因がハマスのせいだという者もいるが。

(Q・2007年11月、集会のため集まった20万人の住民にハマスの警官が発砲し、ハマスへの反発が強まった。それによってこれまでハマスに好意的だった中間層が反発し、ハマスから離反してしまったが、今回の事態で状況は変わったのか)

たしかにハマスに反発する者もいるし、ハマスを非難する機会を求め、社会に一種のカオスを作り出そうとする勢力はいる。だからかつてあちこちで反ハマスのデモがあった。しかし今はそのようなカオスはないし、そんな行動もできない。

(Q・なぜできないのか)

簡単な理由だ。他の“敵”が戸口まで迫っている。その敵は、ハマスもファタハも区別しない。同等に扱うのだ。殺し、負傷させ、住居を破壊する。イスラエルが攻撃するとき、ハマスもファタハも、また一般の民間人も区別などしない。

2つ目の理由は、ハマスは日常の活動を秘密裡にまだ続けている。たとえば食料の価格や保管の状況を調査したり、麻薬撲滅の活動を続けている。また交通の整理も行っている。そのようにハマスがガザ市内やジャバリア難民キャンプでの秩序維持のために活動しているからだ。

(Q・つまりハマスへの反発を持つ者がいても、さらに大きな“敵”が目の前に迫っているから、反ハマス感情が消えてしまったということか)

その通りだ。今回のイスラエル軍の攻撃で、内部の問題は忘れ去られてしまったのだ。

(Q・今、ハマス支持者とファタハ支持者の関係はどうなのか)

大きな変化はない。ファタハ支持者は身を潜めていて表に出てこない。公に活動はしていない。しかしたしかにファタハ支持者がいて、ハマス支持者もいる。

(Q・アッバス政権への反応はどうか)

住民はアッバスがアラブ諸国に圧力をかけ、現実的な解決を提示しこの戦争を終結させるような役割を果せるとは思ってはいない。

(Q・住民はアッバスに失望していないか。ガザ住民を救うために十分なことをしていないというふうに)

アッバスがガザ住民のために、今以上のことができるとは思わない。攻撃を止めるための軍事力もない。彼に何ができるだろうか。ガザ住民が殺されていても、アラブ諸国の首脳たちでさえ何もできないのに。中にはアッバスを非難する者もいるだろうが、理にかなっていない。

(Q・イスラエルはハマスを壊滅し、アッバス政権をガザ地区に復帰させようとしているという噂もあるが)

住民がそれを受け入れるとは思わない。イスラエルがハマスを破壊するか弱体化させ、アッバスがガザ地区に戻ってくるという考えを、まずアッバス自身が受け入れるとは思わない。彼はむしろ民族統一の話し合いをし、ファタハとハマスを含め、すべての組織が和解のための話し合いをすることを望んでいると思う。イスラエル軍の戦車に乗ってガザに戻ってくるようなことが起これば、住民の支持を失うことになる。

私が知る限り、ハマスと和解しガザに戻ってくることが論理的だろう。

(Q・アラブ諸国に怒っているのか)

アラブ諸国はパレスチナ人を支援することにあまり誠意をもっていない。もしパレスチナ人を支援するつもりがあるのなら、攻撃の最初から支援していただろう。しかし18日が経っても何の支援もない。いくらかの食料が入ってくるだけだ。

幸い、アラブ諸国の民衆はあちこちでイスラエルの攻撃に抗議するデモを行っている。しかしそれらの政府に対しては、フラストレーションと怒りがガザ住民の中にある。アラブ指導者に対してだ。

(Q・イスラエル軍が街や難民キャンプの奥深くまで侵攻していく可能性はあると思うか)

イスラエル軍がどういう作戦を練っているのかわからない。しかしイスラエル軍がそこまでやれば、とてつもない流血の戦闘が起こるだろう。まず最も影響を受けるのが住民だ。さらにハマスも、イスラエル軍も影響を受けるだろう。民間人も兵士たちもだ。「血にまみれた戦争」になるだろう。

(Q・ハアレツなどは、「この侵攻の目的はハマスの力を弱体化させることだ」と伝えているが、このガザ攻撃の後、何が起こると思うか)

おそらく民間のオブザーバー、または平和維持軍が展開するかもしれない。

(Q・ラファとエジプトとの国境地帯〔フィラデルフィ道路〕に海外の軍隊が駐留するということか)

そことラファの検問所、またはガザ地区内部に、国連の平和維持軍、オブザーバーが入ることも考えられる。平和維持軍は、インドネシアやマレーシア、パキスタン、さらにトルコあたりからならハマスにも受け入れやすいだろう。

でも今のところハマスは、海外の軍隊がガザ地区に長期に渡って駐留することを受け入れない。しかし海外の軍隊が駐留するとしても状況が落ち着くまでの半年間ほどだろう。またハマスは、物と人が通れるようにラファ検問所が開くことを望んでいる。

(Q・今、住民は何を望んでいるのか)

休戦になって、パレスチナ自治政府がラファの国境管理のために戻ってくるをハマスが許可することを望んでいる。そのことがハマスとファタハを和解させることになるだろう。それによってエジプト政府はパレスチナ自治政府に国境管理を委ねるだろう。またエジプト側も、武器が密輸されないよう検問所とファラデルフィ道路を管理することになるだろう。

一方、現在のハマスの関心は、国境から物と人間が自由に往来できるようになることだ。この2、3日の間に休戦の合意などで動きがあるだろう。

(Q・ガザ住民は今、海外からどんな支援を望んでいるのか)

今回の事態そのものに対してではなく、それ以後、いやそれ以前の状況で、まず2006年の選挙の結果を認め、またいつもイスラエル側に加担するのではなく、平等に双方を扱うこと。さらにパレスチナ人地区つまりガザ地区とヨルダン川西岸の経済の回復だ。これが主要なことだ。またパレスチナ人がガザと西岸との間、ガザ地区と海外と間を自由にアクセスできるようにすることだ。

次の記事へ

ご意見、ご感想は以下のアドレスまでお願いします。

連絡先:doitoshikuni@mail.goo.ne.jp